
ローン会社への残債照会のやり方
車を売るかどうかを判断するには、いま完済するといくら必要なのかを知らなければ始まりません。この金額を確認する作業を残債照会といいます。電話1本、10分程度で終わり、費用もかかりません。それでも、この確認をしないまま査定に進んでしまう方が少なくありません。どこに連絡し、何を聞き、何を記録すればよいのかをまとめます。
なぜ査定より先に照会するのか
査定額だけを見ても、手元にお金が残るかは分かりません。残債と並べて初めて意味を持つ数字だからです。
先に残債を知っておくと、次の判断ができるようになります。
- 提示された査定額が、自分にとって成立する金額かどうか
- 複数社の見積もりを、手取りベースで比較できる
- 差額が出る場合、いくら用意すればよいか
逆に残債を知らないまま査定を受けると、比較の基準がないまま交渉することになります。
どこに連絡するか
連絡先は車検証の所有者欄に書かれている会社です。信販会社名やディーラー名が入っているはずです。
2023年1月以降に交付された電子車検証は券面に所有者が印字されていないため、車検証閲覧アプリでの確認が必要です。手順は車検証の所有者欄で自分の車を判定するにまとめています。
会社が分かったら、連絡先は次のいずれかで確認できます。
- ローン契約書に記載されたお問い合わせ窓口
- 毎月の引き落とし明細に記載された会社名から公式サイトを検索
- 会員向けサイトやアプリ(残債をオンラインで確認できる会社もあります)
会員サイトで確認できる場合、電話は不要です。ただし画面に出ている数字が「一括返済額」なのか「残高」なのかは必ず確認してください。この2つは一致しないことがあります。
手元に用意するもの
電話をかける前に揃えておくと、その場で回答をもらえます。
| 用意するもの | 使う場面 |
|---|---|
| 契約番号・お客様番号 | 本人確認と契約の特定 |
| 車検証 | 車台番号・登録番号の照合 |
| 本人確認できる情報 | 生年月日・登録住所など |
| メモとペン | 回答の記録 |
契約番号が分からない場合でも、氏名・生年月日・車台番号で特定できることがほとんどです。
聞くべき4項目
ここが本題です。「残りいくらですか」だけでは足りません。次の4つを聞いてください。
1|本日時点で一括返済した場合の金額
毎月の明細に載っている残高とは別の数字になる場合があります。一括返済には手数料が加算されることがあるためです。手数料を含めた金額で聞いてください。
2|その金額の有効期限
日割りで変動するため、「◯月◯日時点で」という前提がつきます。何日まで有効なのかを確認しておくと、後で金額が合わないという事態を避けられます。
3|完済後、所有権解除の書類が届くまでの期間
これが最も見落とされる項目です。完済すればすぐ名義が動くわけではなく、書類の発行に時間がかかります。数日で出る会社もあれば、2週間程度かかる会社もあります。
この期間が分かっていれば、売却の段取りを現実的に組めます。書類の内容については3点書類とはを参照してください。
4|完済金の振込先と、第三者からの入金が可能か
買取業者がローン会社へ直接完済金を支払う形が一般的です。その取り扱いが可能かどうか、可能な場合の手順を確認しておきます。
そのまま使える聞き方
お世話になっております。自動車ローンの契約者の◯◯と申します。車の売却を検討しておりまして、本日時点で一括返済する場合の金額を教えていただけますか。手数料を含めた総額と、その金額が何日まで有効かも併せてお願いします。
あわせて、完済後に所有権解除の書類をいただくまで、どのくらいの期間がかかるかも教えてください。買取業者から直接お振込みする形が可能かどうかも確認したいです。
売却を検討している旨を伝えて問題ありません。ローン会社にとっては通常の照会業務であり、それによって不利益が生じることはありません。
回答を記録する
次の形でメモを残してください。後から業者と話す際、そのまま使えます。
| 項目 | 記録内容 |
|---|---|
| 照会日 | ◯月◯日 |
| ローン会社名 | |
| 一括返済額(手数料込) | ◯◯円 |
| 金額の有効期限 | ◯月◯日まで |
| 書類発行までの期間 | 約◯日 |
| 第三者からの入金 | 可 / 不可 |
| 担当者名 |
担当者名を控えておくと、次に連絡するときに話が早くなります。
よくある質問
照会するとローン会社に売却を知られてしまいませんか
知られて構いません。というより、所有者はローン会社なので、売却には必ずローン会社の関与が必要です。連絡を避けて進められる手続きは存在しません。
照会だけして売らなくても大丈夫ですか
問題ありません。金額を確認しただけで、何かが確定するわけではありません。
延滞している状態でも照会できますか
できます。延滞がある場合、遅延損害金を含めた金額を案内されます。状況が複雑になるほど、早めに正確な数字を把握しておく必要があります。
残価設定型クレジットでも同じですか
照会自体は同じ手順ですが、残価をどう扱うかで金額の意味が変わります。契約内容の確認が先になります。残価設定ローン中の車を売るにはを参照してください。
まとめ
残債照会は、電話1本で終わる作業です。それでも、売却の判断に必要な数字の半分がここで手に入ります。
聞くのは4つ。一括返済額、その有効期限、書類発行までの期間、第三者入金の可否。この4つを持って査定に臨めば、提示された金額が自分にとって成立するかどうかを、その場で判断できます。
もう半分の数字である買取相場と組み合わせた考え方はローンが残っている車は売れるのかに、差額がマイナスだった場合は残債が買取額を上回るときにまとめています。
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