ローン残債車の自動車税は誰が払うのか
基礎知識

ローン残債車の自動車税は誰が払うのか

執筆: 金融車編集部 運営事務局

車検証の所有者欄が信販会社になっている車。この車の自動車税は、誰に請求が来るのでしょうか。結論から書くと、納税通知書は使用者、つまり実際に乗っている人に届くのが一般的です。所有者が信販会社であっても変わりません。そしてこの税金を滞納すると、売却の場面でも車検の場面でも支障が出ます。

所有者ではなく使用者に通知が来る理由

自動車税は、その車を実際に保有し使用している人に課される性質の税です。ローンの担保として名義だけを持っている信販会社に課税されるわけではありません。

そのため、車検証の所有者欄が信販会社であっても、毎年5月ごろに届く納税通知書は使用者の住所に送られます。「所有者じゃないから自分は払わなくていい」という理解は誤りです。

[自治体によって取り扱いの細部が異なる場合があります。疑問があればお住まいの都道府県税事務所へご確認ください]

滞納すると何が起きるか

1|車検が受けられなくなる

自動車税を滞納したままでは、原則として継続検査を受けられません。車検が切れれば公道を走れなくなります。

なお、2015年4月以降は自動車税納付確認システム(JNKS)および軽自動車税納付確認システムが運用されており、車検時の紙の納税証明書の提示は原則不要になっています。運輸支局や軽自動車検査協会が納付状況を電子的に確認するためです。

ただし、これは「確認されなくなった」という意味ではありません。提示が省略されるだけで、納付状況そのものは確認されます。滞納があれば、そこで止まります。

2|延滞金が加算される

納期限を過ぎると延滞金が発生します。放置する期間が長いほど負担が増えます。

3|売却の段取りが止まる

ここが見落とされやすい点です。名義変更の手続きでは納税状況が問われる場面があり、滞納があると手続きが進まないことがあります。

買取業者との話がまとまり、ローンの完済も済んだのに、税金の滞納が理由で名義が動かない。こうなると、車は引き渡し済みなのに登録上は自分のまま、という状態が続きます。

紙の納税証明書が必要になる場面

電子確認が原則になった今でも、次のケースでは紙の証明書を求められることがあります。

  • 納付から日が浅く、システムに反映されていない
  • クレジットカードや決済アプリで納付し、反映までに時間がかかっている
  • 車検を依頼する業者側が電子確認に対応していない
  • 自治体側の対応状況による

キャッシュレス決済で納付した場合、領収印のある納付書は手元に残りません。反映までに数日から2週間程度かかることがあるため、車検や売却の直前に納付する予定であれば、この時間差を見込んでおいてください。

証明書が必要な場合は、都道府県税事務所(軽自動車は市区町村)へ交付を請求できます。

売却前に確認しておくこと

ローン残債がある車を売る場合、次の3点を先に押さえておくと手続きが止まりません。

確認項目確認先
当年度の自動車税を納付済みか手元の納付書・口座履歴
過年度の滞納がないか都道府県税事務所
納付が電子的に反映済みか納付方法と納付日から判断

ローンの残債額と併せて確認しておくと、査定の場で一度に話が進みます。残債の照会方法はローン会社への残債照会のやり方にまとめています。

売却したあとの税金

年度の途中で車を手放した場合、自動車税の扱いは手続きの種類によって変わります。

  • 抹消登録(廃車)をした場合、翌月以降の分が還付されるのが一般的です
  • 名義変更のみの場合、還付は行われません。年度分は納税義務者が負担したままになります

買取業者へ売却する場合は名義変更になるため、自動車税の還付は発生しないのが通常です。ただし、業者によっては未経過分を買取額に上乗せして精算する場合があります。この点は見積もりの段階で確認してください。同じ査定額に見えても、この扱いで手取りが変わります。

自賠責保険の未経過分についても同様に、精算の有無を確認しておくとよいでしょう。

「税金の滞納があるから売れない」ではない

滞納があっても、売却できないわけではありません。順序が増えるだけです。

  1. 滞納額を都道府県税事務所で確認する
  2. 納付する(分納の相談に応じる自治体もあります)
  3. 納付が反映されたことを確認する
  4. 売却手続きに進む

先送りにするほど延滞金が増え、選択肢が狭まります。売却を検討し始めた時点で確認しておくのが結果的にいちばん軽く済みます。

まとめ

所有者欄が信販会社でも、自動車税を負担するのは使用者です。そして滞納は、車検と売却の両方を止めます。

確認は簡単です。当年度分を納めているか、過年度に滞納がないか。この2つを売却の相談前に押さえておけば、手続きが途中で止まる事態は避けられます。

売却全体の流れはローンが残っている車は売れるのかに、所有権留保の仕組みは所有権留保とは何かにまとめています。

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